吐瀉物
あおい満月

誰も知らない何かが
このなかに住んでいて
すやすやとチューブから
トマトを吸い込んでいる。

無性にお腹がすく
空の冷蔵庫を指先で
隅までまさぐる。
烏龍茶を流し込み
ツナ缶を舐め、
満たされない月は
膨らみながら欠けていく

誰も知らない何かが
間違いなくこのなかに住んでいる。
わたしは住人に吐瀉物を届ける
今日は、アルコールが不味い。


自由詩 吐瀉物 Copyright あおい満月 2014-08-27 21:13:44
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