夜道
たもつ


いつからだろうマフラーがすっかり
魚だ
巻くと冷たい鱗がささり
しかも時々鋭い歯でかみつく
工場からの帰り
俺の手は油と煤だらけだが
首のあたりからは
腐った泥の臭いしかしない
明かりの無い夜道で
名前の一部のようなものを落とした
はたしてそれは大切なものであったか
カタログ雑誌を眺めても
買えないものばかり並んでいて
いつも困る




自由詩 夜道 Copyright たもつ 2005-01-27 08:31:49
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