晩夏
為平 澪

先ほどから頭の中を 潮の臭いが通過している
文字と文字の列の間に 空洞を見つけて
遊ぶ子供が 砂場でカラカラ笑う

 (ホラ、ミテ、コレガ、ボクノ、ホネ、)

そんなレトロな歌が 浜辺に流れ着くと
ポツン、と 置かれた巻貝が
笑い声を リフレインする

          ※

浜辺に辿り着いた 白い半ズボン
その股間から 赤い小さな夕焼けが滲んでいる

今日した遊びをほったらかしにして
シャベルを突き立てたままの
砂の城を 後にする


自由詩 晩夏 Copyright 為平 澪 2014-08-25 19:45:55
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