箱庭チルドレン
あおい満月


わたしは、
与えられない
ことを知らない。
与えられる、
奪いとることは
子供の頃から知っていた
諦める、
身を引く
距離をおく
ことも理解できない
わたしは箱庭のこども。
あなたも箱庭の小鳥。

あなたはわたしの
ことばの真似をしながらわらう。
からからからから
笑いながら、
頭のまわりを飛び回る。
箱庭チルドレン。

箱の外では、
コリアン街の住人達が、
燃え盛る日本国旗を振り回し
デモをしていたり、
国のお金を遣いまくって、
赦してくれなどと
号泣するお兄さんが
いたりするのに
箱庭のわたしは、
箱庭のインコに恋をしている。
インコの足に口づけをする
インコは青年になり、
箱庭を飛び出し
わたしに舌を出す。



自由詩 箱庭チルドレン Copyright あおい満月 2014-08-24 16:47:51
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