砂の城
草野春心



  しろい頬をこちらにむけて
  月が肩をふるわせている
  窓の外から、じっと
  石でできた町がぼくを見上げる
  けれども雨がふっているのはまだ
  きみの瞳のなかでだけ
  濡れた犬
  しょぼくれた街灯
  色をもたない花
  砂でできた城をさわるように キスをしてくれ
  雨がふっているのは まだ きみの瞳のなかでだけ




自由詩 砂の城 Copyright 草野春心 2014-08-23 17:12:42
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