星霜都市
やまうちあつし
僕は上海の窓拭き職人になって
安い給料やままならぬ生活のことで
四苦八苦しながら生きていく
詩など作らず絵画も解さず
芸術などというものには見向きもせずに
思い描くのはせいぜい
昼の定食をどれにするかぐらい
夜になれば空は星で飾られる
僕の磨いたビルの窓は星座を映すだろう
それによって都市全体が
星座にくるまれているように見えるだろう
宇宙飛行士や神様にはそのように見えるだろう
知らず知らずのうちに詩を書いているというわけだ
人は自分が何をしているかなど
結局は知らないままだ