ふくよかな球体 晴れやかな柔軟 果てなき白夜
komasen333
うねる 静かな炎は囁くように
くねる 穏やかな波は叫ぶように
照り返す 白き光の渦
盛り返す 情動の深き熱
粘りつく透明なる泡沫
したたり落ちる蒼く儚い空
掠れる残響
こすれる色彩
夥しい回路は
刹那に急迫性を帯び
絶頂と不安を混ぜ合わせる
時間に許された 艶やかな一挙手一投足
空間に選ばれた 崇高なる光と色と熱の折衝
伸び上がる
限界など知らぬような目映さ
伸び上がる
重力など知らぬような鮮やかさ
溶けて 溶けて 落ちて 浮かんで 落ちて 浮かんで
このままで そのままで このままを そのままを いつまでも どこまでも
滲む背徳 わけもなく背徳
迸る罪悪 子供じみた罪悪
記憶に埋め込まれてゆく
繊細な深奥な水源を遡るような物語の残像
拡張する球体 破裂する柔軟 ふくよかな晴れやかな浮遊
濡れながら乾かしていく 渇きながら濡らしていく
透明なまま 音響は抑揚を深めて
透明なまま 動きは上昇を極めて
すべてが揃った瞬間 満ちる、遠のく、気づく
世界は孤独のためにあったのだと
世界は二人のためにあったのだと
世界は出会いのためにあったのだと
疑いもなく笑い合い
信じることだけに染まり
他者は自分となり
自分は他者となる
矛盾なく
論理と感性は結合し
歓声と功利は完成へ流れ出す