しあわせ
ユッカ

うつくしくないからという理由でもうすべてやめられる
どの縄で死のうかなと考えることとか
いっそギャルになるかという妄想
薬飲むとか
夜遊びするとか
憂さ晴らしにもいろいろ選択肢があるけれど
うつくしくないという判決が
何も起こらないうちにわたしを裁いてくれる


聞いて あたし
昨日ひと晩で十万稼いだの
って 銀座で働いてる友達が
言ってても すこしもうらやましくなくて
ただわたしは
嘘をつかれて
失恋したことが胸に痛くて
それも未練があるってわけじゃなくて
ただ愛をうしなったことによって
誰か大事なひとを亡くしたような思いになっていただけで
あのひと 嘘をついて生きていけるひとなんだ
かわいそうだなとか
笑えることもあった

ああ なんなんだろうな
わたしたちは
こんな風に愛を使い捨てにして
人を「男」と「女」に二分することで
自分を守ったり 相手を見下したり
できると思っていて
傷つくことばかり上手くなって
きもちわりぃな




しあわせという字は
仕合せとも書くそうです
お互いを想って何かを「しあう」ということが
かつてはいちばんの喜びだったんですね
なんで 今はそうじゃなくなってしまったんでしょうね


そう言っていた
あなたのさみしさに
一生 あなたは気づくことはないのだろう
そう思うと せつなくて
やっぱり すこし笑えた


自由詩 しあわせ Copyright ユッカ 2014-08-21 22:56:39
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