狼
渡辺亘
とにかく咽が渇いていた
コンビニに入りお茶を一本だけ買った
友人と呑みに行った帰り
ただ俺は咽が渇いていた
俺の中に一匹の狼がいる
俺の中に一匹の狼がいる
そいつをてなづけるのが俺の仕事
だがそいつは
鎖を引きちぎり
色んなやつを喰おうとする
今日も一人犠牲になった
俺の中に一匹の狼がいる
俺の中に一匹の狼がいる
声にならないおもいを
いったいどう表現しよう
狼は吠える
月に向かって吠える
自由詩
狼
Copyright
渡辺亘
2014-08-18 08:43:23