白夜の足跡
りゅうのあくび

星がない夜空で
遠く昔に君が歩いたはずの
もう見えない足跡でさえも
まだアスファルトには
小さな熱としてこもっていて

切ない夏の夜に
孤独な月が隠れながら
白夜について
君のとても短い詩を
或る風景のように
残していたとしても

白い摩天楼はまだ
ネオンサインの光とともに
そびえていて
朝を待つ夜明けみたいに
移り逝く時代は
硬い丘の坂道を越えて
きっと綺麗な星になる

在りし日に
夜空を暖める太陽と
ただ白いだけの真夜中のように
君からそっと続く
永い足跡が出会ったところに
僕はちょうどいる
ずっと雪が降らない世界で


自由詩 白夜の足跡 Copyright りゅうのあくび 2014-08-17 22:14:41
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足跡詩集