テレビっ子
吉岡ペペロ
いきなり教習所でF1に乗せられたような
いきなり手術の執刀医をさせられたような
じぶんやまわりの命の重さや軽さも認識しないまま
ひょうひょうと
ぬくぬくと
瞬間を
刹那を
むきだしの
まるで光のよう
文化や言葉のちがう国から来た外人タレントがテレビに出ているみたいだ
みているとどきどきする
開いているようで閉じている
そこにいるのにコミュニケーションをとろうとしていない
まわりでなにかが起こっている程度の生体反応
みているとどきどきするのは宇多田ヒカル以来だ
いや宇多田ヒカルのほうがずっとましだ
宇多田ヒカルにはサービス精神があった
コミュニケーションをとろうとしていた
知的でもあった
だが能年玲奈にはそういうものがない