漂流物
番田 

誰もいない
風がいつも吹いている 
そして 風が そうおもうときに 
寂しく肩を 通り抜ける

そして ページをめくる 
いつも 誰もいないから 本を読んでいる
僕がそこにいる  
薄くて寂しい本を読む白いイスの上に



それはなぜだろう
そんなふうに思う理想の自分であることを 
通り過ぎる誰もが胸に抱いているように 
歩き出すだろう 長く遠い道のりを

風が吹く 自分が
何もわからないのだということを理解する そして
理解している 僕が
流されている 白い 海岸線を


自由詩 漂流物 Copyright 番田  2014-08-17 01:06:53
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