漂流物
番田
誰もいない
風がいつも吹いている
そして 風が そうおもうときに
寂しく肩を 通り抜ける
そして ページをめくる
いつも 誰もいないから 本を読んでいる
僕がそこにいる
薄くて寂しい本を読む白いイスの上に
*
それはなぜだろう
そんなふうに思う理想の自分であることを
通り過ぎる誰もが胸に抱いているように
歩き出すだろう 長く遠い道のりを
風が吹く 自分が
何もわからないのだということを理解する そして
理解している 僕が
流されている 白い 海岸線を
自由詩
漂流物
Copyright
番田
2014-08-17 01:06:53
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