海月の刺傷
瑞海
あの日の海のお土産
S字になってへばりつく
海月の刺傷
海の中で
気が遠くなってしまって
その後は全然覚えてないの
でも確かに誰かに
抱きかかえられて
浜辺に座ったの
目を覚まして辺りを見回して
ひょろっとした茶髪のあなたを見た
ずっと海に通って
やっと見つけた救世主
瞳の澄んだ風にあたる人
泡になって消えそうだから
もう少し待って欲しい
これからあなたに
お礼の菓子折り持っていくので
お口に合わなければ
全然食べなくてもいいので…
海の近くの喫茶店
扉の鈴が鳴った途端
あなたの瞳に吸い込まれて
行き道練習してた
"貰ってくれますか?"
の一言が言えない