詩人病
ピッピ

駅ですれ違った女子高生が
「アンタ詩人になりなー」
と友達に言っていた

ポエジックってのはなんて恥ずかしいんだろう
否定しようか?簡単だけどさ


「詩人病ですね」
「詩人病?」
「そう、あまり聞かない名前でしょう?
 この病にかかると、人は詩人になってしまうの」
「詩人…に、ですか」
「そう」
「詩人って、病気なんですか?」
「当たり前でしょう…3日間程、入院していただきます」


という所で目が覚めたら柏駅を少し通り過ぎたところだった
当たり前、という言葉を、これほどまでに憎んだことはない…
と同時に それも詩人病の症状


世界は インストゥルメンタル
ねえ、言葉を…
と言った人が、銃で撃たれる
詩人は 伝染病
ねえ、言葉を…


例えば、
がないと始まらない世界
踏み出されるはずの一歩を
なくしてしまう残酷
ねえ
そんなことだって
この世から一瞬で
なくせるなんて
そんな詩みたいなこと
あると思う?


三人の女子高生は
同じ駅で降りた
そして何も言わないまま
三人は別々の方向に向かった
心の中で
僕が三回引き金を引いたのが
原因じゃなければいいんだけど


自由詩 詩人病 Copyright ピッピ 2005-01-26 16:09:02
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