真珠
千波 一也


月のひかりを浴びながら
つめたくなってゆく
花たちの夏

大樹の枝に
かぜは寄り添って
静かに通過してゆく

静かに
静かに
無かったことになる

命あるものの
頼りなさを受けとめて
泣いている森が聞こえるか

遠く
星の灯りにあこがれる
草原たちよ

ひと波よ








自由詩 真珠 Copyright 千波 一也 2014-08-14 20:26:03
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