不正確
凍月



“最悪な日だろうと最高な日だろうと
明日という日は必ずやってくるのだ”

彼は首を傾げた
何故明日が来ると確定しているのだろうか?
明日が必ず来ると
何故言い切れるのかが解らない
いつ爆撃に合うか分からない
彼は理解した
泥の中を沈むという事が生きる事である自分とは違う
幸福な人間が言ったのだと



“人は、何回でも変わる事が出来る”

なるほど、と彼は頷いた
きっとその通りなのだろうよ
それは正しいんだ
故に
何時まで経っても変わらない自分は
人間じゃなかったって訳だ



“渡る世間に鬼はなし”

彼は考え込み、唸った
鬼か
鬼って何だ?
人間しかいないだろ?

まぁ
人間より怖いものなんて無いが







自由詩 不正確 Copyright 凍月 2014-08-13 22:50:49
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