不正確
凍月
“最悪な日だろうと最高な日だろうと
明日という日は必ずやってくるのだ”
彼は首を傾げた
何故明日が来ると確定しているのだろうか?
明日が必ず来ると
何故言い切れるのかが解らない
いつ爆撃に合うか分からない
彼は理解した
泥の中を沈むという事が生きる事である自分とは違う
幸福な人間が言ったのだと
“人は、何回でも変わる事が出来る”
なるほど、と彼は頷いた
きっとその通りなのだろうよ
それは正しいんだ
故に
何時まで経っても変わらない自分は
人間じゃなかったって訳だ
“渡る世間に鬼はなし”
彼は考え込み、唸った
鬼か
鬼って何だ?
人間しかいないだろ?
まぁ
人間より怖いものなんて無いが