まつり をどり

少し照れくさそうに
藍の浴衣をまとい
そつなく束ねた髪にボタン
待ち合わせの立ち姿
初々しさに微笑んで

夏の夢のはじまり
人々は吸い込まれていく
太鼓の試し打ち
高揚する心
かき氷で涼をとり

惜しまれずに陽は去って
連なる提灯に灯がともる
聞きなれた音頭に合わせて
輪になり 回りながら 何度も何度も

イカ焼きを手にして
あれは盆の供養の名残だよ
なんて御託を並べるのはよして
輪になり 回りながら 何度も何度も

夜も更け祭りはなお盛り やぐらを囲むおぼろな光は
天に向かって徐々に伸び 揺るがぬ大きな柱を立てる

この空間を肴に人は
知らず知らずに息を呑む
だから毎年 味わいたくなるのだ
ヨーヨーも イカ焼きも カキ氷も何もかも


自由詩 まつり をどり Copyright  2014-08-13 22:28:59
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