透明な月がのぼる場所
るるりら

忘れられないのです
満月の夜に
海面が砂金のようでした
星々は だまって それを見守ってました

海蛍です

しずかに群れはじめ
そっと
この足首を
群れの真ん中に沈め
かるく あたりを掻き回すと
またたいていた海蛍は 
一瞬 闇に身を潜め
おしゃべりを やめるかのように
こちらの 様子をうかがっていました

けれども 次の瞬間
一番星が見つかるみたいに
こちらの目が 闇の中で光を見つけやすくなったのか
それとも 満月の時間を 海蛍達が 惜しむあまりなのか 
一番最初に 砂粒みたいな光が 
ちらついたかと 思うと

やがて
あたり一面の海面が
輝きはじめ
はるか遠くまでつづく 海と空の片隅で
満月と満月に呼応する光が点滅するのです

その ただなかに わたしのこの身を置いたときから
わたしの この胸の中にも
透明があって
海蛍のように
私の透明も 青く白く 光るのです
点滅しているのです
あなたに 見つけて
ほしいのです

わたしも透明な月なんですよ
って 
恋文を書いて 良いですか?





************************************
http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=4850616#10666509
即興ゴルコンダ(仮)参加作品 題名は ほしこさん
昨日が 満月だったようです♪題を出していただいて きがつきました。
今日も おそらく 月は満ちているのでしょうね。


自由詩 透明な月がのぼる場所 Copyright るるりら 2014-08-12 09:52:25
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
るるりらの 即興ゴルゴンダ