センターラインの右側の世界
ichirou

幅わずか20cm足らずの白線に仕切られた世界は真逆の世界
私のわずか右の世界では皆
私がいた過去に向かって進んでいく
私の世界は誰もいない
皆私の右側の世界を進んでいく
まるで私の未来から皆逃げて来るような
不安
そしてすぐに
この不安には虚数が乗ぜられ
まるで私が私自身の過去に忘れたものを取りに向かっている間に
皆私の未来に先回りしているような不安にすり替わる

こんなことはよくあることだ

あと数十cm右にハンドルを切れば
不安から逃れられると思ったこともあった

でもしなかった



そんな勇気も怒りもない小さな自分は
次の信号を意味のない目標に置いて
何も考えず
ただアクセルを踏んでいる











自由詩 センターラインの右側の世界 Copyright ichirou 2014-08-11 23:02:21
notebook Home 戻る