書きたいことなんて何もありません
本当は書きたい事だらけなのですが
もう　そんな気持ちも差し置いて
上手い事ばかり言おうとする自分が
嫌で嫌でたまらないのです

僕は今　また一つ嫌な癖が出ました
また　上手い事
「本当は書きたい事だらけなのですが」
等と、いかにも詩人じみたことを平気で
言ってのけました
本当に書きたい事だらけなら　
今　こんなくだらない自分との会話など
してる筈がないではないか

書ければなんだっていいのです
それが真の本音のくせに　かっこよく
希望探してます　絶望探してます
唯　上手い事を言ってのけたいが為に
今　ただを唯と品の良い漢字にしてみたように
よく思われたいだけなのです

そろそろ　今こうやって詩を書いてることが
苦痛になってきているのではありませんか？
だってそうでしょう　詩を書く目的は良く思われたい
それと　上手い事を書きたい　なのですからねぇ

僕は今　三十分ほど　この自分が自分に対する
皮肉な質問へのかっこいい答えを探してました
「何か上手いことを言い返してやろう」
結局これなのです　自分という質問者は
自分を一番理解しているのです
もしここで　上手い答えを言っていたら
質問者はぶっと吹き出して笑い転げていたに違いありません

書きたいことは　もうありません
上手い言葉で終わりたくないのです


＊大分前に、全く書けなくて、自分を見つめるために書いた詩です。