為平 澪

私の前に一つの 箱
親にでていけ、と
言われた日
箱がすぐさま 現れた

それは家と 表書き
それは部屋と 内側に
書かれていたけど
消えていた

私の前に 箱一つ
産んで貰ってありがとう
感謝箱には 門前払い
お払い箱には 銭がない

自動販売機が販売を
自動で出した試しがない

箱の出口に 夢を抱いて
臭い缶を拾っては
ダンボールをリヤカーに
積んで作った 紙の箱

その入り口に マッチ箱
投げつけられる 火炎瓶

仲間が箱に入った日
箱ごと運ばれ 燃やされた


自由詩Copyright 為平 澪 2014-08-07 23:44:49
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