沢庵と月と扇風機
石田とわ


     カナカナと遠いどこかで
     かなしげに、
     啼く声を聴きながら
     今日という日を
     麦茶漬けで締めくくる
     さらさらとなんでもない事のように
     身のうちにおさまってゆく
     お疲れさまというように
     浮かんだ沢庵噛みしめながら
     熱気をかき回す扇風機がうらめしく
     消したりつけたりを繰り返し
     満ちたりない月に明日を重ねる




    

 


自由詩 沢庵と月と扇風機 Copyright 石田とわ 2014-08-07 23:05:28
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