命の色

発泡スチロールに入った
テナガエビがひしめいて
二十匹の黒い塊の
半分は水槽に
大きいものは鉢に

フライパンに油をひき
強火
鉢から出して丁寧に洗った
エビを入れて蓋をすれば
しばらく飛び跳ね回り

その火が消えたのを合図に
燃え上がり
目が眩むような赤を
パリパリと音を立てて
長い足の一本まで
すべて食べ尽くして

「ごちそうさまでした」
手を合わせ
「いつもその心地でいなさい」
声が聴こえる

そう 明日になれば淡く
あの鮮やかな命の色も


自由詩 命の色 Copyright  2014-08-06 23:02:19
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