雨は降り止マズ
アラガイs


よくよく考えてみれば人生の半分は曇り空で、そのうちのまた半分は雨と流れてしまったかのようだけど、パール、僕が一生懸命額に汗して竹の子を掘り返しているときや、少しばかりのお札を伐りながら飛び散る蜜柑の皮を剥いているときにも熱い息は吐きだされ流されてしまったものは数多くあるはずなんだけど。
昔は直ぐに下水道に流れていった気のする雨水も今ではちょっとしたどしゃ降りでも一面水溜まりになってしまうから、その粘土の上を歩くのにもいちいち気を使わなければならないくらい、僕のアキレス腱は周囲の足跡で埋まってしまうよ。
燦々と照り返す汗には箒で掃く土煙りが舞い、夏の日射しを避けてオレンジジュースをぐいっ、と一気飲みした場所なんて校舎の運動場くらいしか頭には思い浮かばないだろう。ウサギ小屋の端にあった下水道の中を覗けばお天気お姉さんが予想する一枚のお札がすでに濡れたまま放置されて留まっていたんだおかあさんと一緒にね。あの日もきっと暑い一日のはずだった。もう忘れたかい。
無作為に雑草が伸びた庭には萎れたギボウシの葉が干からびて乾き、土の中を探れば共に過ごした動物たちの記憶が眠っているから、ついつい思い出しても自然とよみがえるのは晴れた日の出来事よりも何故か意味もなく走り去っては雨降りに耽る、君たちと言えば散々使い回しただけで何も残らずに役目を終えた印刷の文字盤やタスマニアペットライン。土砂崩れを心配する代わりに湿気た部屋を抜け出しては法螺貝と戯れた飛沫の行者が言うには明日は必ずオバケを連れて来い。ありふれた日常を霧散と背負わなければならない、きっとあなたたちも橋の向こうでは冷たい熱に蒸れていて埋め合わされる刻印の蓋をずっとずっと待ち続けているのに、
、落石と意地を張りあう桝がこの日ながい//////////により降り止マズ、それは僕の人生そのものでもあるようだ 。













自由詩 雨は降り止マズ Copyright アラガイs 2014-08-06 05:44:13
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