ある終末
ichirou

電池の切れかけた目覚まし時計の秒針が
8と9の間で震えている
目覚まし時計はもう鳴ることも時刻を示すこともできないが
私にはどうすることもできない

目覚まし時計の側には
薬と孫の手はある
でも新しい単2の電池はない
この光景は私の人生を象徴している

静かな朝だ
曇っているせいかまだ蝉は鳴いていない
いや
皆死んでしまったのかもしれない


携帯電話のアラームが鳴り
何も変わらない
私の一日が
また動き出す









自由詩 ある終末 Copyright ichirou 2014-08-05 05:37:20
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