夜明
瑞海




床に寝そべって
抱きしめてたあなたは
朝になったらゆっくり消えるのね

世界に見つかっちゃいけないから
死んだつもりにしなきゃ
明るい中では生きられないから
夜明けまでの命

それさえも愛だから
受け入れるよ 苦しくても

ガラス越しのあなた
くまが酷かったね
痩せこけて 力尽きそうで

僕を救ってくれ

って涙一つを落として
手を差し伸べた夏

夜を切り取って
私たちだけおいて行けばいいのに
世界はそれを拒む
最大限の復讐

朝のベッドの上
あなたの亡骸
悲しくなんかない
人間もどきでも
あなたはあなただ

そっと頭を撫でて
キスするか迷ったけどやめた
これで満足しないように させないように

あなたがまた夕暮れに帰って来て
夜明け前に消えるように




自由詩 夜明 Copyright 瑞海 2014-08-02 09:04:27
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