私のネット詩歴13年を雑に書き殴った
nemaru

雑なままでも書き残して思う。

詩を書き始めたのは2001年ごろだったかもしれない。
詩のサイトは最初に流れ着いた日本WEB詩人会。
そこで会員になって投稿していた。いいとこだった。
今書き始めたのも、ここがぱっと見「ぽえ会」のように見えたから。

詩を書き続けるのはしんどい。
詩以下のものでも、何十年と書き続けるのはしんどい。
やめてしまう人たちがほとんどだ。
むしろ詩を書く期間は断絶があったほうが健全と思ってるけど。
コンスタントに書ける人はたもつさんかchoriさんとミキさんぐらいでいいんじゃないかと勝手に思っている。

詩人に持続性や計画性がないわけではなくて、
生きてるから何も言えなくなる時もあるだけ。
十数年前の熱がここにあるかは知らない。分からない。

たまたま私は今日ここになんとなく戻ってきた。
他の残骸をひと通り見てきた。
またどこかで何か起こっているのかもしれないけれど、
そこまで探すほど詩と深く接する気もない。



ぽえ会に流れ着いて、いくつか詩を書いて投稿していた。
全員に会員番号がふられて、高坂さんに挨拶をしてもらって、
書きたい事を好きなだけぶちまけた。
中村トクシさん、あげはさん、明楽さん、トノモトショウさん、ヨケマキルさん、たかぼさん、今思い出せる人の名前。

わいわい仲良くやっている所にネット詩爆撃プロジェクトっていうのがあった。
急に第一線で活躍する詩人の詩を、
詩のコミュニティサイトに爆撃(投稿)するってのが主旨だった。
うちには野村喜和夫さん(第九章告別だったか)と和合亮一さんと、もう一人ぐらいあったのかな。
平和な村に急に爆弾を3つ投下しやがったんだ。ファック!

ぽえ会のルールはもう覚えていないけど、
投稿するとコメントをしなきゃいけないルールだったんだ。
爆撃プロジェクトはそれを勝手を無視して投稿だけしたから、
今で言う炎上、ぷち炎上して、主催者が「めんどくせーなー」って感じで何作かにコメントして、
手打ちになったと記憶している。まぁとにかく、ものすごく嬲られた感があった。

はじめて外を意識した。
ぽえ会以外にも詩のコミュニティサイトがいくつもあって、
銀河系以外のことを意識するようになった。
あの当時はWebringがあったから、
行こうと思えばいつでも行けたんだろうけど、
他がどんなことやってるのか気になったのは、あの時が初めてだった。

まず、いとうさんのポエニークに行ったんだ。
いとうさんが(確か)犯人の一人だったから。
最初はいとうさんの日記を読んで生意気な奴だと毎日腹を立てていたと思う。
「俺は寝だめができる」とか、仕事ができそうな雰囲気が好きじゃなかった。
いちいち挑発的だったんだ。
ぽえ会の敵だし、余計腹が立って。
好きなことだけ書いて何が悪い!詩は良し悪しじゃない!って、毎晩憤っていた。

ポエニークを見ていると、詩会という掲示板が主催されていた。
毎月いくつかの投稿詩を匿名で発表して、
全員が何回か批評して得点つけて、
最後に名前と順位が分かるっていうコンテストみたいな事をやってた。

他人の批評と点数で、分かってる人の言葉を読んでいくと、
なんとなく詩の良し悪しが分かった気がした。
個人的にはたみさんの詩がすごい面白くて、すぐにリンクを辿って読んだ。

その頃たみさんのサイトはテキストサイトみたいだった。
読んでるとすっとぼけてるような感じで面白かった。
色々読んでると「雪江さん」という詩にいきあたって、これがものすごく面白い。
さすがたみさんだ!と感心した。
それから毎晩雪江さんを読んで「こんな詩書きてーなー」って憧れるようになった。

数カ月間見逃してたんだけど、
ある日雪江さんの最後に書いてある一文をちゃんと初めて読んだんだ。
そしたら「いとうさん(はんたぁ氏)からいただいた詩です」。
これを読んだ瞬間、自分の中では驚天動地が起こった。

あれ?この面白いの、いとうさんが書いたの?
あのにっくきいとうさんが?

まぁ、その後は心のなかでいとうさんに謝りながら、
サイト内をくまなく読んだ(笑)
たみさんの詩の書き方講座は面白かった。
詩に大事なのは「システムとうたごころ」って。
今でもたまに思い出すフレーズ。

ポエニークにはフォーマルハウツという掲示板ができた。
いとうさんが選んだ厳選された詩人が詩を書く場だ。
田辺弓さん、アンテさん、たみさん、松岡宮さん、広瀬犬山猫さんの女心(きりうそのみ?さん)、T.Tさん、先田督裕さん…みんな面白かった。

詩会では田中智子さんの書く詩が一番書けそうで書けない感じだったから、
そういう感じの詩をいっぱい書いた。
今風のギャルが書いている風(当時はそう見えた)なのに、詩会の評価は高くて。
そんで批評の通り読んでみると「すげー…」ってなる事が多かった。
エンピツの日記もほとんど詩みたいで面白かったな。
そこから田中智子さんに真面目な感想を書いてたMonkさんのサルホボ、ちょりさん、アーカイブからひろっちさん、縞田みやぎさんの詩を読んだりしてた。

どっちかというとインパクト重視で読んでたんだろうな。
あんまり難しい事は分からなかったから。
でも詩会の批評から逆に面白くなさそうな詩がスゲーってなる事も多々あった。
雪江さんの件で、いとうさんによってある程度詩の良さが担保されてるってことを信用できたんだと思う。

余談だけど、インパクトといえば、鈴木志郎康さんの詩が一番だった。
昭和詩歌集という分厚い本の中で、一番インパクトがあった。
鈴木志郎康さんはネット上に今もサイトがちゃんと残っていて、
ツイッターも毎日更新しておられるはず。
今なら攻勢の姿勢という分厚い本が図書館で借りられるはず。

ちょりさんは「歩く」を書いていた頃か。
過去ログを読んだり日記読んだりしてると、
詩で食っていこうともがいてるような感じだった。
そのうち、ちょりさんとれっつらさんが組んで何かイベントを始めた。

ポエトリーリーディング?なんだそれ?

余談だけど、れっつらさんは不器用な棒みたいなイメージだけど、
chikaは凄く好きだった。その時詩会にいたみいさん?だったかの詩もよくて。

若いのにみんな才能があっていいな〜と思って、
彼らのイベントに足を運ぶようになった。
ぽえ会の中にいた、上昇志向(?)な人も何人か来てたんじゃないかな。

私はあの時身長150cmで体重100Kg超えて、
髪も伸び放題だったから、
正直詩のイベントというサブカルな場所には行くべきではなかったと今でも思う。
結局ポエトリーリーディングはぞわぞわして居心地が悪かったので、
3回目ぐらいで行くのをやめた。
最初は詩に興味のない友達まで無理やり連れて行って「お、おぅ…」って反応されてたのに気付かなくて
完全に黒歴史だ。今でも思い出すと軽く死にたくなる。

たみさんのサイトに岡さんという人が来て、
訳の分からない事を書いてた。
そしてたみさんが岡さんの言うことは分からないと書いていて笑った。
でも、なんとなく分かるのが凄いと思った。

なんだったかな。
「一人で誰とも手を繋いでない時の心境なんてのは皆経験してるし、
そんな事は誰でも知ってんだよ」みたいな事を書いていて、
一人で悶々と悩んで詩を書いていた私はちょっと傷ついた(笑)

そのうちたみさんのサイトとフォーマルハウツにm.qyiという変わった人が来て、
論争みたいな事をしていた。
何人かも分からない不思議な人で、
変わった詩をよく書いていたけれど、
めちゃくちゃ賢すぎるんじゃないかという印象を持った。
今もネット上に詩の雑誌のようなものが残っていると思う。

この頃は蘭の会と詩のコンテストとポエニークと、色々詩のサイトがあって、
どれも活動は活発だったように記憶している。
蘭の会は女流詩人の会で、トップの挨拶を谷川俊太郎に書いてもらったりしていた。
詩のコンテスト(正式名称忘れた)にはぽえ会の中村トクシさんが選ばれていて、
ぽえ会会員として少し誇らしい気持ちになった。
その頃中村トクシさんは山口県のWEB詩人会を作っていたので、
少しぽえ会からは離れつつあったかもしれないが。

レントさん、久谷雉さん(この人はリアルの人か)が詩集を出して、
ちょりさんはMBSの深夜放送で特集を組まれ、
馬野幹さんははみだしっ子たちの朗読会を開催し、
私の中で詩が一番盛り上がっていた時期で、リアルとネットが繋がるかもという気配があった。

原田昇平さん、ワタナbシンゴさん、仲程さん。名前だけ書いたけど、パワフルな感じでした。
川本真琴が好きなohatuさん、ユーリさん、かっこよかった。
嘉村奈緒さんも面白かった。ブログでいつもギョボボボボ!みたいな事書いてるのに、詩はすごかったな。

ここが出来たのはいつだったか。
出来た頃は今まで名前を書いてきた人達がだいたいワーッと集まってきて、
それにnifty時代の雰囲気が少し混じったような面白そうな空気があった。
こんなに便利になって。
さらなるネット詩(死語か!)の発展に寄与するもんだと思ってた。

最初のうちはここであれこれ読んでたんだけど、
いつの間にか飽きてきて、
熱中していた時に買った現代詩文庫も詩誌も全部売り払った。
書くにしろ読むにしろ、詩が必要だった時期が一時的に過ぎ去った。

完全に詩に興味がなくなったわけではないと思う。
現にいまここでキーボードを叩いている。
結構スパンは開くけど、定期的に見に来る場所ではある。



おわり。



何でこんな事が書きたかったのか。



誰かに触発してもらいたい。
ネット詩の遺跡めぐりをして欲しい。
あなたはどうやってここにたどり着きましたか?と尋ねたい。
その経緯が読みたい。
面白い詩人さんを紹介して欲しい。



長いことROMってる人。
いつまでたってもうまくならない人。
そういう人の声が聞きたいなぁと思った。



今度こそ投稿ボタン押してしまいます。えいっ!



追記:

◆詩学の友
http://shigaku.org/index.html

詩学のサイト!
正直ナビゲーションが悪い気がするぜ!
さすが詩のサイトだけあるぜ!

◆詩楽(詩学の友)
http://shigaku.org/issues/index.html

ボリューム3まで出ているぜ!
字がちっちゃいぜ!




◆雲雀料理
http://hibariryouri.web.fc2.com/

幸運 Iの「幸せになるための努力の結果」!
なんじゃこりゃ!



◆Urokocity投稿詩集
http://www.shimirin.net/cgi-bin/anthology/anthology.cgi

時が止まっているぜ!



◆詩人専用シナプス (WebArchive内に保存されたpoenique内のコンテンツ)
http://web.archive.org/web/20050204181913/http://poenique.jp/sinaps/index.htm

現在は恐らく執筆者は募集していないので、注意されたし!



◆批評祭アーカイブス
http://hihyosai.blog55.fc2.com/

現代詩フォーラムでたま〜に見かけるキーワード「批評祭」。HHNだっけ。
気になる気になるー!


散文(批評随筆小説等) 私のネット詩歴13年を雑に書き殴った Copyright nemaru 2014-08-01 21:46:31
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