人魚姫
瑞海





いつも午後4時になると
岬に現れるセーラー服

いつも裸足で
そこの海に足だけつけて
泣いてるんだ

どうして 泣いてるか
理由はわからないけど
いつものように綺麗で 切なくて
なにも言えない

学校帰り 岬で
初めて見かけたその子は
傷だらけだった

でも ずって見つめていると
そっと海に足をつけて
深呼吸し始めた

ただ 美しくて 儚かった
でもやっぱりその子は泣いていた

あの涙をこの手で拭えたら
どれほど幸せか
救うなんて大きなこと言わないさ
ただ隣にいたいだけ



犯した罪は重くて
全てを手放して
思ったことは罪悪感だけ

いつも恋しくなって
夕暮れ時の境目のない時に
海へ来るけど
やっぱり過去は戻ってこない

環境を変えたって
なにもいいことは無かった
出るのは形になった涙だけ

変わったことはたくさんあるけど
変わらないことはあまりない

自分の所為よ 責め続けるしか
罪を償えない それが運命

ああ やっぱり
夕日を見ると涙が出る

誰も救ってくれなくていい
そっとしといて
ある日に私が泡になるまで




自由詩 人魚姫 Copyright 瑞海 2014-07-31 23:48:50
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