折りたたむ午後


君に照らされたいと
咲いた花は
雨風さらされ
踏まれながらも
その目に留まれと
桃色の手をかかげる

鈴なりのコチョウラン
大輪のボタン
道端のケイトウも華と
とうの昔に知っている 
天高く高く伸び
大きく花開いた君

咲きほこる姿に憧れ
万物は芽吹く
焼きつくす光さえ
糧にした葉は生り
花開き 実をたたえ
落ちた土には種 そして

見上げては まなざしを拒むようで
暮れの花びらは すべてを包みこみ
地が生まれてから死ぬまで
その鮮やかさは何一つ変わらない

香ばしく染め上げられた バスタオルを取り込み
膨らみすぎたイメージを 丁寧に折り畳む午後に


自由詩 折りたたむ午後 Copyright  2014-07-30 09:50:12
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