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明治風の洒落た望楼のついた木造建物を過ぎ
古い倉庫の間の乾いたアスファルト道を抜けると
広いバス通りがうねりつつ丘を上がってゆくのに出会う
そこが「聖なる地」──はじめて訪れる者は車を止めて憩いたくなる
そのふしぎな力をそなえたスロープに
玉蜀黍*1の列が迎える
丘の上には黒々とひかる視界の大きさのサラアブレッド
“ひかりの微塵系列の底に”。
“Carbon di-Oxide to Sugar”
*2
“Carbon di-Oxide to Sugar”
玉蜀黍の軟らかな槍は陽を受けて
“Carbon di-Oxide to Sugar”
“Carbon di-Oxide to Sugar”
私は白い雑嚢をぶらさげて後ろ向きに歩かなければいけないだろうか?
狐の嫁入り 泡つぶのような子供たちが私のあとから昇ってくる
そのすあしは地面をはなれ、胸と手足に瓔珞はゆすれ、透明な楽器をもち
「私立小岩井尋常小学校」
石碑のまえで振り返れば、子供たちのすがたは消え
しんと若々しい
椈の森が悼む