花火のおと
吉岡ペペロ

花火のおとだけ聞いている

火災ビルからひとが落ちてくるような

ドスンとも

ガタンとも

なんとも言いようのない破裂音がする

夏の湿気とうごかない風

花火大会

浴衣姿

ともだち恋人

色彩も煙りも臭いもなく

勉強しながらおとだけ聞いている

火災ビルからひとが落ちてくるような

ドスンとも

ガタンとも

なんとも言いようのない破裂音がする


どこかで赤ちゃんが

うつぶせのまま愛情に包まれている

白いシーツ

横顔

寝顔

おとが聞こえる

地球に頬をよせて

だれかに似た寝息いびき

どんなに泣いたあとでもたてていた

あのおと

どこかで赤ちゃんが

うつぶせのまま愛情に包まれている


花火のおとだけ聞いている

火災ビルからひとが落ちてくるような

ドスンとも

ガタンとも

なんとも言いようのない破裂音がする

夏の湿気とうごかない風

花火大会

浴衣姿

ともだち恋人

色彩も煙りも臭いもなく

勉強しながらおとだけ聞いている

火災ビルからひとが落ちてくるような

ドスンとも

ガタンとも

なんとも言いようのない破裂音がする









自由詩 花火のおと Copyright 吉岡ペペロ 2014-07-26 21:04:45
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