プルチネッラ
baby bird

身の程ならば知っている
薄汚さなら知っている
壊れかけてる玩具のピエロの人形の
片腕一本剥ぎ取って
眠れぬ夜にも朝は来る

だんだんと沈んでいく
だんだんと沈んでいく

それがたまらなく愛おしい

(喝采を!)

(歓声を!)

(悲劇的なる終末を!)

これが私の望んだもので
これが私の手にしたもので

幸せだ
幸せだな

あの娘は笑っているのかな
あの娘は笑っているのかな

朝日が少し眩しいな
蝉の鳴き声が喧しいな
疲れたな
眠たいな

目が覚めたら
また目が覚めてしまったら
何処へ向かえば良いのかな
何処まで行けば良いのかな

からっぽで
からっぽで
どうしようもなくからっぽで

何にも見えないふりをして
何にも知らないふりをして

少しだけ泣いて
少しだけ笑って

寂しいな
寂しいな

ボロ布一枚握ったら
パンタローネになれるかな
パンタローネになりたいな

コロンビーナを思うコメディアンの戯言を
何処かの誰がが真に受けて

一緒に灰になれたらいいな

燃えてしまって燃え尽きて
詩の一つも鳴らしたら

あの娘に届けは良いのにな


自由詩 プルチネッラ Copyright baby bird 2014-07-24 06:31:11
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