夏野菜のひと
たま

暑いとはいわぬトマトの涼しげな頬に紅さす今朝の顔
中味は見えないスイカは呆けた顔をして叩いてもほら知らん顔
おいしいトウモロコシにコガネムシの幼虫半分っこする
見てみてこれは甘唐辛子そのとなりのシシトウは従兄弟なの
舞花と名づけてカボチャは褒めて育てて重くなる
いいひとみたいと噂されてうれしそうな案山子立つ畦の道
申し上げるのもなんですがぼちぼち食べごろかもマクワウリ
しろいのは夏眠のできないイチゴの花とかネギのうなじ
上には上があるものでいちばん上にあるのはヒマワリです
げんきにしてますか?秋にはお会いしたいですねサツマイモどの
まさかと思ってふり向いたらヒョウタンに見つめられていました
すっかり日焼けして今年もやっぱしいい女です水ナスの恋

たしかこのあたりに蒔いたはず朝顔の種はどこへいったの
ま、いっか…。いつもそんな調子で、も吉農園の夏はゆく













短歌 夏野菜のひと Copyright たま 2014-07-23 11:34:28
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