嵐の夜に
黒ヱ

儚げな風 何を孕んで ここから見ゆるは

眼差しの先 伸ばし 指先の 空を掴む悲しみ

切れ切れの断崖に 鋭利は刻んで 

飛んでいこうとする 高く 高く

「あなたの歌が聞こえる 

 決して あなたの声が奏でる あなたの歌ではないのだけれども

 私のために 自分で歌っている あなたの歌」

首元に 重さもなく絡みつく糸の 案じ思わせる暗闇

手土産の準備はあるが たどり着けない悲しみ

遠い この標もない 折り返しの道


自由詩 嵐の夜に Copyright 黒ヱ 2014-07-22 20:17:06
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