灰色ダンス
千波 一也



どんなに優秀なものも
優秀ではないものも
燃されてしまえば
灰になる

どんなに貴重なものも
貴重ではないものも
燃されてしまえば
灰になる

風に従順な踊り子となって
意志なき舞は白やら黒やら
懐かしげに孕んでみせる

勢いさかんな紅蓮の炎も
消え入りそうな小さな灯りも
尽きてはいない、という一点でのみ
わかり合える踊り子

灰色ダンスは
亡者のダンス、骸のダンス
他人の意志に運ばれるしかすべのない
おそろしい終焉

ならば
受け身の能とて捨ておけぬ
一方通行とて愛でられよう
まだ燃え尽きていないのならば









自由詩 灰色ダンス Copyright 千波 一也 2014-07-21 21:54:55
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