深夜徘徊パトロール(蛇口バージョン)
モリマサ公


植木鉢と金魚鉢を薙ぎ倒して
深夜徘徊パトロールに出掛けよう
赤子と痴呆の間の言葉は粒の無くなったトウモロコシのハーモニカ
とても大きくえぐれている
何も理解できないでいる
次はどっちが鬼になる?
犯罪者扱いされる病人が組むのは病人扱いの犯罪者
若い女をセンセイと呼ぶ相棒だ
おっぱいが大きいとダイセンセイ
防犯カラーボールの生存者にも笑顔で接客
雑草の不審者にも笑顔でセックス
完璧な一日
向かいのベンチの浮浪者も完璧
奥歯に挟まっていたシャキシャキレタスサンドのどっかの部分をつまみ出して太ももの上に置く
豪華共演
クソ朝から何も食ってねえぞ
こんな量喰えるかボケ
さっき3杯かきこんでたよ
ラブホテルで無理矢理窓をあけると
ビルでできた光の壁がみえて揺れている
10分前にジェネリックバイアグラ飲んだから
あと50分待ってもらえる?
歩行者用押ボタンが点滅している
女の子たちはパンツをはかずに無責任にスキ!を連打
浮かび上がる早朝のファミリーレストラン
アイタイとモウイラナイ
どうにもならなかった明日あさってそのつぎもそのつぎも
外は凄い冷気
ブレーキ
震えてる
チワワみたいでカワイイ?
高速道路に吸い込まれていく車いす
自由なからだをめちゃくちゃにしたかった
あんなふうに賢く覚えて上手になりたかった
欠けた前歯を前髪でかくして前進
割引運賃適応のバスがクラッシュしている
加害者更正プログラムの体験セミナーのポスター
さっき死んでるかもしれないから公衆便所の落書きの電話番号に電話してみる
もしもしと答えた瞬間
サイレンがうなり声をあげる
加工された映像と音声には飽きてきたかもしれない
閉じたまぶたで今空を切り取って何度でもツイートしながら
一人ぼっちの帰り道
一瞬無傷





自由詩 深夜徘徊パトロール(蛇口バージョン) Copyright モリマサ公 2014-07-21 20:32:31
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