冷たい視線

視線

子供の頃
車の窓から月と太陽を眺めて思ってた
彼らは一体どこまでつきまっとてくるのだろう?
父親にせがんで アクセルを全開にしてもらっても
振り切れない 奴らの視線もきっとそう

何みてんだ?
冷やかしなら帰れ
ショーウィンドウ越しに俺を値踏みすんな
今日もまた無機質な定規と秤を体に当てられ
押される 要.不要のハンコ
ダンボールに詰められてあの世に送り返される同志達
お払い箱にされた挙句
あの世への送料
死ぬ前の苦しみはこっち持ち
今夜もしくじった連中の影で1人震える
枠からはみ出た部分は
容赦無く切り落とされる
賢くならなきゃな
生き残った奴らは今日も無理矢理腕を折り曲げて
七分丈の袖の中に両腕をすっぽり隠す
死んでいった連中に祈ることはできても 同情はできない
こっちだって死にたくなるくらい窮屈なんだから

♯2
シビレを切らして
飛び出した仲間を
足並み揃えて行進していた連中が踏み潰す
長い間使われていなかった水道管の
ような涙腺ひねって友の眠る棺をいっぱいにしたら
次は俺の番
50音の銃弾をリボルバーに込め
引き金に人差し指を置いてその時を待つ
もう
お前らの足音に怯えて生きる日々にはうんざり
ここに一つ線を引いて 決着をつけよう
俺はお前らの敵
囲いの中で鳴いてる
迷える子羊の数を数えたって
数え切る前に眠くなるだけ
永遠の眠りの前に寝てる暇なんてない
就寝時間ギリギリまで
デリンジャーみたいに 奪い続ける欲しい物
抑えられなくなった感情は
新たな芸術を発砲するための火薬
聞いてくれるなよな
引き金を引いた後の弾丸の行き先なんて
能書きや理由なんてのは 鈍臭い評論家共に任せて
退屈な目をしている連中の右目と左目の間
既存のど真ん中に使用履歴のない弾痕を残す
犯行現場にわざとらしく残した硝煙は俺を捕まえようとする奴らへの挑戦状

おい そこで俺を見て笑ってるおまえ

そのまま俺から目を逸らすなよ

お前等は俺の才能を証明するための重要参考人なんだからな











自由詩 冷たい視線 Copyright  2014-07-21 20:24:30
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