【 思考する夜に…… 】
泡沫恋歌
夜の静寂が
私を思考の世界へ誘う
仄暗い豆球がシーツの海を照らして
波打ち際には夜光虫のように
ラメ入りマニキュアが光るから
私の思考回路は小舟に乗って
大海原へと漕ぎ出した
困惑島 躊躇島 懊悩島と
悩める小島を巡って行きましょう
遊覧船のように それらの島を
行ったり来たりと堂々巡り
明快な答えが出ないままに
思考は交錯して
混沌岬の沖で座礁しまった
岩礁からセイレーンの
美しい歌声が聴こえてきたら
意識が朦朧とし始めて
ついに深海へと
思考の小舟が沈んでゆきます
柔らかな枕が私に
こっちにおいでと誘惑するから
……この思考は明日また考えよう
2014/07/21
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「詩人サークル 群青」