恋文
ヒヤシンス


夜の帳に溶け込んだ心情が 淡く病む。
シタールの音色が鋭く僕の喉を刺す。
震える手で連ねる恋文は
異国の呪文のように匂い立つ。

ああ、夭折した画家達よ。
あなた方の創造した世界はなんと偉大で
光輝くパッションに溢れているのだろう。
それこそは現世に残された恋文だ。

僕の創造するものがただの真似事だとしたら
これほど悲しいことはない。
超越するために描かれたものこそ全てだと感じているのに。

全てを超越する恋文を描け、詩人達よ。
その震える手は霊感に包まれている。
香り高き涙の雫をペン先に滴らせて。


自由詩 恋文 Copyright ヒヤシンス 2014-07-21 01:52:49
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