4秒でいち
凍月
昨夜ブランコを聴いた公園に
再び立ち寄ったら
子供たちの笑い声がした
見ると
遊具も砂場もない
公園の中心で
小学生くらいの子が三人
はしゃいでた
青っぽい砂の地面に
棒切れで円が描かれてて
その線の上をぐるぐると
歩いていた
1、2、3、4
1、2、3、4
1、2、3、4
と
一周を四秒でぐるぐるしてた
一体、何をしているのか気になって
「これはなんて言う遊びなの?」
僕は思わず彼らに聞いた
「円の上をね、四秒でまわるんだよ!」
一人がそう言った
「やってみる?」
と一人が誘ってくれたので
円の上に乗ってみた
「じゃあ、スタート!」
1、2、3、4
1、2、3、4
………………………
これが一体何なんだ?
ちょっと目が回る程度だな……
気付くと、四まで数える子が二人で
一人は地面に正の字を書いて
僕が回った回数を
カウントしてた
円からぴょんと離脱して
「それは何を数えてるの?」
と聞く
子供たちは顔を見合わせて笑う
「人数を数えてるんだよ」
「この円を四秒で一周すると、世界のどこかのだれかが一人」
「死んだ事になるの」