四つ葉のクローバー
イナエ

高齢者マークとは失礼な

クローバーが外来種だとしても
要注意外来生物と人は呼ばない

乙女の多くが口をふさがれ
足に枷を掛けられていた時代
定型からはみ出した四つ葉は
王子に見初められた幸せ者
に見えたのだろうか

世の原則は多数が正常 
であるならばこれは異状
とはいっても 
異端には少ない故の価値があり
耳の付いた紙幣 
穴のずれた硬貨 
同様に一枚多い葉に 
夢を描いて価値ある異端児

ときにはさらに一枚悪魔に着けられ
不幸の象徴ときらわれるけれど
水田の畦に蔓延する正常種も
ミツバチを呼ぶレンゲ草の代役は務まらず
単なる雑草

乙女の多くが
恐れることなく意見を叫び 
世界に出歩く今も
四つ葉の人気は衰えず
畦で見つかる天然物は
ノートか日記帳に挟まれて
乙女の願いをこっそり残す

幸せの独り占めは反社会行為 
と考えたかどうか
大量栽培されて
それでも足らず似せ物まで商品となり 
通信販売までされているとか


自由詩 四つ葉のクローバー Copyright イナエ 2014-07-18 21:42:25
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