砂漠へ
凍月



世界の始まりは夜の闇
夜の黒は
星と月によって和らいだ黒
それが下にいくにつれて濃い黒となり
目を閉じたような漆黒になる
その黒は途切れることなく海に続き
再び色が薄くなり
紺色となり濃い青となる
青く蒼く碧い海は
どこかで緑と青の間の色となり
エメラルドグリーンとなり
それも自然に薄れて
いつしか透明となり
波が弾ける白色となり
それが輝くような砂浜の白に続いている
砂浜は段々と茶色や赤を帯びていき
いつしか砂漠となる
白の砂漠と黄金の砂漠と赤の砂漠
海と等しく茫漠な砂の海
砂漠の中には街と線路がある
それぞれの色の砂漠に
それぞれの街があり
砂の世界を列車は駆けめぐる
何故かは分からないが、線路が砂に埋もれることはなさそうだった
常に掃除をして
線路に砂がかからないようにしているのだろうか
その砂漠の日中は
生命を消し炭にする程暑く
もはや熱い
それなのに夜間は歯が鳴り止まないくらいに寒い
砂漠はまるで生命を殺す為にあるようだ




自由詩 砂漠へ Copyright 凍月 2014-07-17 23:19:24
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