一緒に暮らそう
千波 一也
種を蒔いてきたのだと思う
いや、散らしてきたのだと思う
なんの種だかわからないまま
そもそも種だかわからないまま
どうしたって僕は
僕以外の何かにはなれないのだ、と
恵まれ続けてきたのだと思う
良いも悪いもないはずだね、きっと
僕にとっては
すべてが全く必要なものばかり
だから
君には隣にいてほしい
僕の瞳のなかにずっといてほしい
晴天ばかりが続くわけはないし
晴天ばかりが続いては困るけれど
晴天を祈ることが多いね、って
ほほえみ合える至らなさを守るため
一緒に暮らそう
不都合な在庫は置かない、という
しあわせを尊びながら
一緒に暮らそう
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【きみによむ物語】