希望の定義
猫の耳

本当に欲しい物は、何故か手に入らない。
心から望んでいる事は、大抵実現しない。

けれどそれは、
生きるための大事な縁であり、
雨上がりの虹のように瑞々しい。
しかし同時に私をはね返す、冷たい氷水のようでもあり、
熱くゆらめく陽炎のようでもある。

私の周りをヒラヒラと飛び交う、
幻の蝶のようでもあり、私の側を離れようとはしない。

努力しても叶わない事があるという事実は、
大人になって知った一つでもあるが、
努力して手に入れたものでないと、
決して心は満足しないのだという事も、
大人になった今ならわかる

そして、夕暮れの街に佇みながら、
私は今もなお、何かを探し続けている。


自由詩 希望の定義 Copyright 猫の耳 2014-07-15 21:51:34
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