武器よ去らば
蒲生万寿
オマエが銃を取り
生者にその銃口を向けるなら
オレは花を摘み
生者にも死者にも手向けよう
生者には「生き抜け」と伝え
死者には「マシな世を作ってみせる」と誓う
オマエは上官の命令だけで人を殺す
オレは自分の意志で共に祈る
命令は意志とは全く関係のない誰かの都合に過ぎない
オマエとオレとの違いはたった一つ
愛を示すかどうかだ
当然オマエにも愛はある
その銃を捨て
命令に背き
一人の今を生きる者に返った時
たかだか1cmほどの鉛の弾が命を奪う虚しさを知るだろう
オマエの愛を示せ
素直に生きるだけのことだ
オマエの人生を
今こそ生きるのだ
命令され人を殺す生き方を
「これがオレの仕事だ」
とほざいてみても
オマエの傍には誰も近付かない
オマエ自らが人であることを拒否するからだ
人を生かし共に生きる
愛を分け与え
明日の希望を胸にする
オレとオマエは友達だ
オマエが銃を取る前も今も
未来も
もっと言えば
生まれる前から
死んだ後も
オレとオマエは永遠に友達だ
そしてここで共に居るのだ
今生にあるもの全てが
共に居ることを思い出せ
ガキの頃
人を殺す自分を想像したか?
もしオマエが不快な人生の連続で
誰にも優しくされたことがないのなら
今ここで先ず誰かに優しくしろ
その行為に対して
相手は感謝と微笑みを返してくれるだろう
その時そこに愛があることを学べ
信仰を持たなくてもオマエが愛を知る瞬間だ
赤の他人だからこそ
オレはオマエを愛す
親子の情愛がないからこそ
オマエはオレを愛す
争いはもう止めだ
憎しみはもう止めだ
オマエの本当の力と勇気が必要なんだ
人殺しなんか懲り懲りだ
誰も殺さない
誰にも殺させない
皆の顔が明るく輝いているのが一番なんだ
至る所で歓喜の歌が歌われる
「争いなんざクソ食らえ!」
平和の鐘の音だけを
誰もが聞いていたい
この穏やかな心を持って
全ての愛を皆と分け合って生きていたい
愛と平和の一つの星で