Mは消極的なストレス
アラガイs


雨上がり傘は思いがけずに閉じる
嫌えば嫌うほど何故か奴には出会ってしまう
回り道をする
すると信号機で親子連れの奴に出会ってしまった
互いが無視をした
……どうしてなんだろうな
と、考えてしまう……
そうだ ! 嫌わなければいいんだとMは背中に無理をする。

(夜になればさっちゃんが現れて鏡の中から声が聞こえた
僕は獣になっている
……朝日を浴びない二面の獣になっていたんだ 。

さっちゃんが亡くなると、暗い部屋の片隅でパソコンの灯りが点る
二度も誰かに助けられた博士は、自分の親から引き継いだものを暴こうとしていた
(ふふん、どうやらわたしには悪運が憑いているらしい)
博士は明日生き残るための確率を計算していた
何処の崖から飛び降りたら目的に近づくのかと思案していたのだ
(きっとまた悪運という奴が助けてくれるにちがいない)
博士のパソコンには、確信にちかい予想の粗筋が記号化されインプットされていく
………………プピ…何通りかの答えが出たようだ
夜の陽が目覚めた
その日から博士を見た者は誰もいない 。












自由詩 Mは消極的なストレス Copyright アラガイs 2014-07-12 16:11:40
notebook Home