海を選ぶ。
永乃ゆち


海を見渡すと
決まって悲しくなる。

波の音が
泣き声に聞こえるから。

砂の色が
灰の中のようだから。

けれど私は海を選ぶ。

波の音も。
砂の色も。

ただ広い海は
総てを飲み込んで
私は許されたような気持ちになる。

散り際に
私は海を選ぶ。

私は海を

選ぶ。




自由詩 海を選ぶ。 Copyright 永乃ゆち 2014-07-12 13:22:16
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