書かれたもの
nia

ある犬がアルペジオを踏んで海の記憶のなかで眠る

鉄面皮から温かい血が飛び上がり赤く染まった両手を見る

小さな白痴のように路地裏で踊る

手から砂がこぼれ落ちる時を見ている

祈りという言葉がシャボンのように飛び消える

ある犬が線路を跨いで横たわる

右手を上げると左手が上がる

音楽 似非宗教 アルコール 一面の菜の花

山奥のダム 螺旋階段 ショパンチェロソナタ バッハブーレ

信号無視 メディスン インターバル それから


自由詩 書かれたもの Copyright nia 2014-07-09 00:06:42
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