最大級な台風がやってくる
アラガイs


台風が近づいている。
ここのところ運よく逸れているだけに最大級の力を持つとは怖い
甚大な被害とは、不安定な人間にとって死を意味するようなものだから。
しかもワールドカップの準決勝があるではないか
送られてくる衛星放送の映りも心配だ。
しかし何よりも怖いのは、建物が破壊された後の幕く引きが心配なのだ。

生活は一変し路上に蹲る人々の姿
好きだったものは離れ、嫌いだったものを無理やり好きになる
そんな忌まわしい姿を想像してみればいい
きっと誰かが描いた物語にも寄り添わなければならない
それは保守的な人々が好むように
宝塚や水戸黄門に描かれる聖なる伝統の儀式を受け入れる
そのどちらも好まなかった人間の行く末を巻き返し
台風は脇道から王道へと目をはしらせる
否定などあり得ない/否定は負けるものか
荘厳の破壊は保身を受け入れ革新を奪う
現実などに侵されたくはない。

…逸脱した姿のままいつまで夢を見続けられるのか
これが致命的な台風とならなければいいのだが
何しろ致命的な被害など経験したことがないのだから 。








自由詩 最大級な台風がやってくる Copyright アラガイs 2014-07-08 04:33:02
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